そこで、やめた場合にどうなるのか、やめた場合の治療費はどういった扱いになるのかについて解説します。
インビザラインを途中でやめるとどうなるのか
個人差があるものの、インビザラインによる矯正治療は、短くても1年半程度、一般的には2~3年程度かかります。どの段階でインビザラインをやめるのかによって考えられる影響が異なります。
まず、治療を始めたばかりの段階であれば、やめるのと同時に治療開始前の状態に戻っていく可能性が高いです。
治療中盤でやめる場合、噛み合わせなどが整っていない状態なので、大きな悪影響が考えられます。特に抜歯をともなっているような場合は、歯の並びがバラバラになっていたり、隙間が開いたりした状態で中断になってしまう可能性も高いです。
治療が終盤まで進んでいるのであれば、その段階でやめたとしても治療前の段階まで元通りになることはまずありません。ただ、最終的な調整が行われていないため、不具合を感じやすいです。
インビザラインの中断が考えられるケース
インビザラインの治療は最後まで行うのが理想ではありますが、以下の理由によって中断している方もいます。
入院・手術などの突発的な事情
病気・ケガなどの影響で専門的な治療を受けるために入院や手術が必要になったケースでは、インビザラインを中断しなければならないことがあります。インビザラインを継続しながら対応できるかについては医師に確認しましょう。
転勤・留学などによる引っ越し
引っ越しによってこれまで通っていた歯科医院に通い続けられず、中断するケースがあります。通院は月に1回程度なのでできれば継続するのが理想です。難しい場合は引越し先にある歯科医院に転院することも検討しましょう。
矯正中のストレスや痛み
治療継続を検討できないほどのストレスや痛みがある場合も、中断につながることがあります。
ワイヤー矯正などと比べると痛みは強くないため、痛みによって中断を余儀なくされる可能性は少ないです。ただ、痛みの感じ方には個人差があるため、一概にはいえません。
矯正を継続することが大きなストレスになる場合も、中断につながってしまうケースがあります。
途中でやめる場合の費用について
インビザラインによる治療を中断したとしても、全額返金は期待できません。例え治療開始後すぐに辞めることになったとしても、レントゲン撮影や検査など、さまざまな費用がかかっているからです。
また、インビザラインでは矯正用のマウスピースを製作することになるため、マウスピースの費用もかかることになります。
すでに全額支払い済みの場合、治療段階によっては返金が受けられる可能性もありますが、詳細は各歯科医院に直接確認してみましょう。
まだ支払いが済んでいない部分についても同様で、キャンセル費用がかかる可能性があります。そのため「すぐやめるかもしれないけれど、とりあえず始めてみよう」と考えるよりも、初めから慎重な判断が必要です。
インビザラインの治療中断はデメリットが多い
インビザラインの中断をした場合に考えられる影響や、中断につながりやすい事情などについて紹介しました。
インビザラインによる矯正を行う場合、あらかじめ完了までの治療計画を立て、それに沿った形で進めていく形となります。治療の途中では歯並びなどが悪くなってしまう段階もあるため、中断するのはおすすめできません。
歯並びが崩れた状態で中断し、そのまま放置してしまうと再度矯正するのが難しくなったり、非常に時間がかかったりする恐れもあります。インビザライン治療の中断を検討しているのであれば、中断以外の選択肢がないのか歯科医院で相談してみてはいかがでしょうか。